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レザール・フロリサン【マンスリー・ニュースレター Vol.158】


先週は、フランスの古楽オペラ団体「レザール・フロリサン」の仕事がありました🎶



「ル・ジャルダン・デ・ヴォワ」プロジェクトのオーディション伴奏なのですが、

予選で選ばれた歌手の人たち約100人がオーディションに参加します。

今回はリュリやシャルパンティエなど17世紀フランス・オペラ作品がメインです。



会場には、ピッチの異なる2台のチェンバロが用意されています。

1台はA=415(現代ピッチより半音低い)、もう1台はA=392(現代ピッチより全音低い)で、曲に合わせてどちらかの楽器を弾いていきます。

絶対音感があるので、突然ピッチが変わると、

聞こえる音と楽譜上の音が一致しなくなるので、

気持ち悪くなって非常に弾きづらいのですが、

さすがに長年の古楽生活で、こういうことも容易にできるようになりました☺




ちなみに、楽譜はほとんど当時(17世紀)に出版されたスコアの複製を使うので、

ト音記号/ヘ音記号以外の音部記号がたくさん使われています。

しかも、あまり見易いとは言えない楽譜を見て、

どの音が重要か見極めて伴奏や通奏低音を付けていきます。

(全部で300ページ以上あるので、ものすごい重労働です・・・💦)



前日に歌手の人とリハーサルをするのですが、たいていみんな

「わぁ~すごく歌いやすい!」

「こんなのがスラスラ弾けてさすがだね!」と感心してくれるのですが、

この裏では、準備に相当の時間がかかっています・・・

今回も、直前の1週間は寝ても覚めてもこの練習に追われました。



いよいよオーディション本番。



レザール・フロリサンの創設者で古楽界の大巨匠、

ウィリアム・クリスティさん(写真右)もお見えです。

(私も鏡越しに写真に写り込んでいました😆

写真はレザール・フロリサンのインスタグラムより)




オーディション風景(私は右端にいます)


次から次へとアリアを弾いて、

指も腕も痛くなり、ずっと楽譜をガン見しているので目にも疲れがたまってきます・・・

ウィリアム・クリスティ氏も

「Aya、疲れてない?大丈夫?」と気遣ってくれますが、

合間に栄養補給をしたり、目薬を大量にさしたりして、最後まで無事に乗り切りました☺

さすがに疲労困憊でしたが、私の一番好きなフランスのレパートリーということもあり

美しい曲をたくさん弾くことができて、満足のいく出来に終わって何よりです。



次のコンサートはバッハなので、今はまたバッハの作品と向き合っています♫



寒い日が続いておりますが、みなさまもお身体お大切にお過ごしください。



濱田あや


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