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フランス・バロック・オペラ・プロジェクト【濱田あや マンスリー・ニュースレター Vol.52】


暑い夏、皆様いかがお過ごしでしょうか。

私は、ロワイヨモン修道院での

フランス・バロック・オペラのプロジェクト(クリストフ・ルセ氏指揮)を終え、

パリに戻ってきました。

ロワイヨモンはパリ北駅から各駅停車に乗って北へ45分ほどの所の、

ヴァル=ドワーズ県にあります。

周りには牛がうろうろしている、長閑で美しい場所で、

素晴らしい環境の中での夢のような10日間。

お話を頂いた時から、ずっと楽しみにしてきましたが、

期待を遥かに上回る、かけがえのない貴重な経験でした♪

↓ご覧のとおり、魅惑的な所です。

一歩も敷地から出ることもなく、一度もお財布を開けることもなく、

(勿論テレビもなく)、

フランス・バロック・オペラの傑作である、

リュリの「アルミード」とラモーの「イポリートとアリシー」のコンサートに向け、

指揮者のクリストフ・ルセ氏と、もう一人のフランス人チェンバロ奏者、

350人の応募者の中からオーディションで選ばれた16人の歌手

(フランス人12人、ベルギー人2人、スペイン、オーストラリア人各1人)たちと、

生活を共にしていました。

フランス語圏の人が圧倒的多数のため、四六時中フランス語漬けです…。

毎日、午前中3時間(午前10時~午後1時)、

午後5時間(午後2時~午後7時)のセッションがあり、

私は、次から次へとレシタティフ&エール(アリア)を弾き続けていきます。

(期間中丸1日は、バロック・ダンスの振り付けのセッションに充てられました。)

しかもその後は、午後7時から2時間に渡って、屋外でのヨガのクラスまで行われ、

とてもハードなスケジュールでしたが、

ランチタイムやディナーでは、皆で美味しい食事とワインを楽しみ、

リュリとラモーの音楽だけに集中できる、とても贅沢な10日間でした。

何より、セッション中は常に、クリストフ・ルセ氏から歌手の人たちに、

歌詞の理解、当時の発音、朗誦法、抑揚の付け方、装飾音、

フレージング、歌唱表現、バロック・ジェスチャーなど

多岐にわたる分野に関して、とことんまでこだわり抜いた指導が行われていきます。

それら全てが、

通奏低音に限らず、チェンバロ・ソロでフランス音楽を演奏する際にも、

重要な手掛かりとなることばかり!

私にとっても数年分もの勉強をさせて頂いたような気がします。

また時には、「この言葉に相応しい表現を」

「このシーンを表すには、こういうタッチで」と

通奏低音パートを目の前で弾いてみせて下さり、

また私の質問や疑問点にも、いつも丁寧に答えて下さり、

独特の表現に溢れたフレンチ・オペラへの理解が、更に深まる、

嬉しく有難い時間の連続でした。

感謝の念が絶えない一方で、

まだまだ勉強することはたくさんあるな…!と

身が引き締まる思いです。

〈下の写真〉

コンサートの後、

(左)達成感と解放感に溢れた笑顔の、良き仲間たちです。

(右)クリストフ・ルセ氏と、

ロワイヨモン財団・声楽プログラムのアーティスティック・ディレクター、

エドゥアール・フレ・コール=フーティ氏と共に。

このお2人から、2年間の準備期間を経て、今回の素晴らしい企画が生まれました。

フランスはテロが相次ぎ、不穏な空気が漂っておりますが、

それでも自分の好きなことを思い切り邁進できる環境が与えられ、有難い限りです。

みなさまもどうぞお身体お大事にお過ごしください。

パリより

濱田あや

🚲 おまけのコーナー 🚲

実は私は自転車ロードレース「ツール・ド・フランス」の大ファンなのですが、

今年のツールの最終日は、

シャンティ~ロワイヨモン前~パリの凱旋門 というルートでした。

コンサートの直前だったのですが、仲間達が、

「せっかくなんだから、Aya をリハーサルから30分間解放してあげようよ~」

と言ってくれて、

レースが通過するのを見に行くことができました ☺☺☺ 大感動です♪

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