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オリジナル・チェンバロの祭典【濱田あや マンスリー・ニュースレター Vol.59】


みなさま

新緑がまぶしい季節となりました。

いかがお過ごしでしょうか。

先日のラモーのコンサートの動画を

YouTube にアップいたしました。

お楽しみいただけますと幸いです。

さて先週、

フリント・コレクションで開催された

チェンバロの祭典、

(ハープシコード・ヘブン)」での

リサイタルが無事に終わりました。

会場は、フィラデルフィア近郊の

プライベート・コレクション。

17世紀~18世紀に製作された

アンティーク・チェンバロが

10台以上所蔵されています❕

年に一度、チェンバロ・フェスティバルが開催されており、

ヨーロッパやアメリカなど世界各地から集まった

9人のチェンバリストがリサイタルを繰り広げます。

光栄にもその1人として、日本人としては初めて選ばれ、

夢のような1週間を過ごさせていただきました。

チェンバロは、製作された年代や地域によって、

スタイルやデザイン、音色が異なりますが、

普段、私たちが弾いている楽器は、

17世紀~18世紀のチェンバロのデザインを基に、

この半世紀の間に製作されたコピー(複製)楽器です。

(もちろん、その中にも素晴らしい楽器は数多くあります。)

こちらには、その基となる、それこそ世界に1台しかない

貴重なオリジナルのチェンバロがずらりと揃っているのですから、

奏者にとっては、HEAVEN(天国)と言える場所。

聴かれる方にとっても、

チェンバロの魅力を存分に味わえる、この上ない環境といえるでしょう。

(ニューヨークや西海岸など遠方からはるばるお越しのお客様も…!)

それに加えて、

カリフォルニア在住の著名なチェンバロ製作家、ジョン・フィリップ氏によって

メンテナンス(調律や調整作業)も抜かりなく行われています。

博物館においてあるアンティーク・チェンバロの中には、

保存状態がよくなく、演奏不可能なものや、

調整が行き届いておらず、良い音色が出ないものも多いのですが、

こちらのコレクションは、全ての楽器が最高のコンディションに保たれています。

今回は、久しぶりに オール・フレンチ・プログラム を組み、

ルッカースの17世紀製のチェンバロ、

18世紀製フレンチ2段鍵盤のチェンバロ2台

(しかも18世紀前半、後半と製作年代の違うもの)の計3台を

1つのリサイタルで使わせていただきました。

作曲された年(の前後)に製作されたチェンバロを弾く…という

作品と楽器がまさに一体となったプログラム!

次の曲を弾くたびに、次のオリジナル・チェンバロに移り…

こんな贅沢極まりない機会は、世界中見渡しても、ここでのみ可能なことでしょう。

偉大な楽器の前で、演奏家として謙虚になるのと同時に、

自分が表現したいことを、楽器が存分に応えてくれる幸せを噛みしめ、

理想的な状態で演奏に集中することが出来ました。

聴衆の方々からも、たくさんの嬉しい感想をいただき、

コレクションの所有者の方も

「楽器の魅力を余すところなく引きだしてくれてありがとう!

感動的な演奏だったわ!」と仰って下さり、

またフィナーレ・コンサートでは、他のチェンバリストの方々と

2台~5台チェンバロのアンサンブルを愉しみ、

思い出深い滞在となりました。

みなさまとは夏の日本公演でお目にかかりますことを、

心よりお待ちいたしております♪

7月8日(土)午後3時開演 大阪梅田 ザ・フェニックスホール

☝☟チラシをクリックしていただくと拡大します☟☝

7月23日(日)午後3時開演

宗次ホールチケットセンター(営業時間10:00~18:00)

📞 052-265-1718

ニューヨークより

濱田あや

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