みなさま いかがお過ごしでしょうか。
私は10月の終わりよりヨーロッパに来ています。
先週はパリ、そして今週はベルギーのアントワープに滞在しています。
アントワープに来るのは5度目ですが、
今回は、楽器博物館のオリジナル楽器での演奏です。
こちらの楽器博物館は
「フレースハイス(肉屋のギルドハウス)」と呼ばれています。
16世紀初頭に後期ゴシック建築様式で建設され、
1841年までは、地下で精肉され、1階のホールで肉の売買されていた建物です。
現在は古楽器を中心とした音楽博物館になっているのですが、
こちらにはオリジナルの銘器「ドゥルケン(1747年製)」が所蔵されています。
ルッカース一族~クーシェのチェンバロ製作の伝統を継承した、
18世紀アントワープを代表する製作家、
ヨハン・ダニエル・ドゥルケン作のチェンバロです。
手入れが行き届いており、とても良い演奏可能な状態で保存されています。
(2段鍵盤ではなく)鍵盤は1段、
チェンバロのレパートリーと照らし合わせると、
後期に当たる年代に製作されたものなので、
弾く曲目が限られてくると思われがちですが…
語りかけてくるような音色、高音域の美しさ、タッチの繊細さは、
他のオリジナル楽器と比べても素晴らしく、
どんなレパートリーを演奏しても、しっくりと馴染む、
とっても魅力的なチェンバロです。
招待してくださった博物館のキュレーターの方も
「このドゥルケンは世界でも5本の指に入る(ほどの銘器)のでは・・・!」と
仰っていました。
私の興奮状態も収まらず、
バッハ、スカルラッティ、ラモーなど様々な曲を弾くたびに、
魔法にかけられたような音色に、ため息がこぼれる連続でした。
練習の最中にちょこっとだけ携帯で動画を撮影してみました↓
今回のアントワープ訪問を非常に心待ちにしていた証といいますか、
実は少し前からオランダ語習得を試みていました。
(ベルギーは3つの公用語があるのですが、
アントワープのあるフランドル地方はオランダ語圏です。)
大半のベルギー人は、フランス語・英語など数ヶ国語が堪能なので、
今までもコミュニケーションに困ったことは一度もなかったのですが
やはり現地の言葉がわかると、より一層、街も人も身近な存在に感じられます。
(とはいえ、私にとっては5ヶ国語目の言語なので、
話していると他の言語と混ざり合い、
フランス語とのちゃんぽんのようになってしまっています・・・💦)
「ドゥルケン」とは、嬉しいことにこれからもご縁が続きそうです ♪
寒さに向かう折、みなさまもどうぞお体を大切にお過ごしください。
ベルギー・アントワープより
濱田あや