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アントワープ【濱田あや マンスリー・ニュースレター Vol.65】


みなさま いかがお過ごしでしょうか。

私は10月の終わりよりヨーロッパに来ています。

先週はパリ、そして今週はベルギーのアントワープに滞在しています。

アントワープに来るのは5度目ですが、

今回は、楽器博物館のオリジナル楽器での演奏です。

こちらの楽器博物館は

「フレースハイス(肉屋のギルドハウス)」と呼ばれています。

16世紀初頭に後期ゴシック建築様式で建設され、

1841年までは、地下で精肉され、1階のホールで肉の売買されていた建物です。

現在は古楽器を中心とした音楽博物館になっているのですが、

こちらにはオリジナルの銘器「ドゥルケン(1747年製)」が所蔵されています。

ルッカース一族~クーシェのチェンバロ製作の伝統を継承した、

18世紀アントワープを代表する製作家、

ヨハン・ダニエル・ドゥルケン作のチェンバロです。

手入れが行き届いており、とても良い演奏可能な状態で保存されています。

(2段鍵盤ではなく)鍵盤は1段、

チェンバロのレパートリーと照らし合わせると、

後期に当たる年代に製作されたものなので、

弾く曲目が限られてくると思われがちですが…

語りかけてくるような音色、高音域の美しさ、タッチの繊細さは、

他のオリジナル楽器と比べても素晴らしく、

どんなレパートリーを演奏しても、しっくりと馴染む、

とっても魅力的なチェンバロです。

招待してくださった博物館のキュレーターの方も

「このドゥルケンは世界でも5本の指に入る(ほどの銘器)のでは・・・!」と

仰っていました。

私の興奮状態も収まらず、

バッハ、スカルラッティ、ラモーなど様々な曲を弾くたびに、

魔法にかけられたような音色に、ため息がこぼれる連続でした。

練習の最中にちょこっとだけ携帯で動画を撮影してみました↓

今回のアントワープ訪問を非常に心待ちにしていた証といいますか、

実は少し前からオランダ語習得を試みていました。

(ベルギーは3つの公用語があるのですが、

アントワープのあるフランドル地方はオランダ語圏です。)

大半のベルギー人は、フランス語・英語など数ヶ国語が堪能なので、

今までもコミュニケーションに困ったことは一度もなかったのですが

やはり現地の言葉がわかると、より一層、街も人も身近な存在に感じられます。

(とはいえ、私にとっては5ヶ国語目の言語なので、

話していると他の言語と混ざり合い、

フランス語とのちゃんぽんのようになってしまっています・・・💦)

「ドゥルケン」とは、嬉しいことにこれからもご縁が続きそうです ♪

寒さに向かう折、みなさまもどうぞお体を大切にお過ごしください。

ベルギー・アントワープより

濱田あや

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